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英語とピジン英語とハワイ語の違い
- 2015/1/13
- 英語を美しく話したい

私の姑(60代後半)は日系3世です。
先祖は広島からの移民だそうですが、日本には一回も行ったことがないそうで す。ゴダイゴのミッキー吉野似の見かけは日本のおばちゃんです。でも日本語は全然しゃべれません。ハワイって本当に不思議なところ。
見かけは日本人なのに、話しかけたらちっとも日本語ができない人はたくさんいます。 見かけは日本人、中身はすっかりアメリカ人。
この姑、ハワイ生まれのハワイ育ちなので英語が激しい「ピジン英語」です。ピジン英語とはハワイの英語。「ただのハワイの人が使う訛ったブロークンな英語」とネガティブなイメージを持つ人もいますが、これは間違い。
これを理由に「ハワイで英語なんか勉強しちゃだめ、訛ってるから!」なーんて言っちゃう人が残念ながらいますが、そうではないんですね。ピジン英語は「間違った、いい加減な英語」ではありません。
英語を母国語としない移民たちがお互いにコミュニケーションを取るために何世代にもわたり、一つの言語として確立、 定着させてきたものです。ピジン英語にはしっかりとした文法ルールもあり、決してでたらめなものではありません。
昔は「ピジン英語」は 「よくない英語」というレッテルを貼られていましたが、最近は専門家による研究が進み、随分イメージも変わりました。ピジン英語は「ハワイの人」のアイデンティティです。
そういえば「ハワイの人」と「ハワイアン」を一緒に考えてる人がいますが、これも間違いですね。「ハワイの人」はハワイ出身の人(白人、アジア人、全ての人種)、「ハワイアン」は人種的に「ハワイアン」、つまり原住民の人のことです。
ピジン英語は どちらかというと「ハワイの人」の誇り、「ハワイアン」の誇りは「ハワイ語」 になります。話がそれましたがハワイの人たちの間では、このピジン英語を使う事がイケてるのです。
私がハワイ育ちの夫と出会って初めてもらったプレゼントもハワイのピジンに関する本でした。
この本はピジン英語のバイブルとされています!
http://www.amazon.com/Pidgin-Max-Douglas-Simonson/dp/093584841X
しかし、このピジンをアメリカ本土から来た白人ががんばって使っちゃうと「イタイ」ことになっちゃうのです!関東の人が無理やり関西弁を使って、関西人をイラっとさせてしまう感覚に似てますね!笑
さて、姑の話に戻りますが、姑はピジンの代表格ともいえる「ダカイン(Da kine)」を乱用します。Da kineはいわゆる「標準英語」ではThat kind.「あの種類のもの、あれ」みたいな。
よく日本でもおばちゃんで「あのー、ほら、あれがそれしたらああなった」などと、明確な内容を全部「あれ、それ」で進めちゃって全然内容がわからない人がいますよね?うちの実家の母もこれですが。。。
姑の場合、何でもかんでもDa kine。「Da kine、おいしいよねー」とか「Da kineが壊れちゃってー」とか。私にはなんのこっちゃ、さっぱりわからないこと が連発。私が妊娠した時も「Are you Da kine?」て聞かれました。「あんたアレ?」みたいな。笑
他にもOno(おいしい)、Pau(終わり)、No can(できない)などが典型的なピジンボキャブラリーの例。姑と舅の会話なんか聞いてるとピジン特有のボキャブラリー、文法が飛び交って理解するのが大変な時があります。
「標準英語」を使えるけど、あえてハワイで生まれ育った誇りとして「ピジン英語」を使っているのですね。自分が使う言葉とアイデンティティって確実につながってますね。