留学先でも「日本の自分」のままでいると、自分は何も変わらない。
- 2018/5/21
- その他いろいろ

何のために留学したいですか?英語が話せることだけが目的ですか。
新しい言語を学ぶ事=新しい文化を学ぶ事
じゃあ文化って何でしょう? 文化とはその国、土地の生活様式、考え方、価値観などのこと。それを理解しないとその言語は身につきません。逆に、その土地の言語を知らないとその文化は理解できません。
たまに留学生で、留学先でも日本にいた時の自分の考え、価値観を突き通す人がいます。例えばサービスに対する期待値。アメリカ人の提供するサービス、日本人の提供するサービスの質は違います。手厚い日本のサービスに慣れている日本人はアメリカ人のサービスに満足をしない人が多いかもしれません。日本人にすれば到底受け入れられないような事がアメリカ人にとってはなんともない、ということは多々あります。他の店員とのおしゃべりやガムを噛みながらのスーパーのレジ係、支払ったあと、thank youすら言わない定員。「ありがとうございます」を言わないなんて、日本じゃ考えられませんが、アメリカじゃ普通に見られる光景。。。「普通」の感覚が日本と外国じゃ違います。
満足のいかないサービスを受け、目くじらを立ててクレームをつけたところで彼らは「ソーリー」の一言で片づけてしまうでしょう。そんな対応がここでは「普通」なんです。日本のサービスは素晴らしいですね。以前に日本のファーストフードでテイクアウトした時、内容が間違っていたので電話をしたところ、3キロほどはなれている自宅まで正しい注文内容をわざわざ配達してくれました。アメリカじゃそんなことまずないです。先日、大阪かどこかのイオンモールで「お客様の声」を次から次へと反映させていく支店があるという記事を読みました。日本のサービスは本当にすばらしい。
ただ、そのサービスを受ける事を当然だと思っている人が多いような気がします。私はたまに日本に帰国すると、どこに行っても店員さんが本当に丁寧に対応して下さるので、そのたびに「ありがとうございます」とこちらも丁寧にお礼を言うようにしています。しかしほかの人を見ていると、割と皆さんスルーなんですね(汗)。お店側はもちろん売上を上げるために丁寧なサービスをしているかとは思います。でも、丁寧に頭を下げてくれているという事実には変わりないので、それに対してこちらもお礼を言って当然だと思うのですが、そうじゃない、頭を下げてもらって当然、お客様は神様なので何をしてもいいと思ってる人が残念ながら多いように感じます。その感覚「やってもらって当然」を外国の留学先にまで持って来て、日本人スタッフがいるお店、学校、病院などで日本的サービスを受ける事を当然と思っている人がいます。日本的なサービスを受けられないとクレームをつける。でも、ここはアメリカだよ。日本じゃないんだよ。
留学先の学校でいくら勉強ができても、その土地の人々のやり方、考え方、価値観を理解しようとオープンマインドする努力をしなければ、いつまでも語学は身につきません。行く先々で日本特有の「常識」「価値観」を押し通そうとしてもその土地の人々の事を理解できないし、ましてやその人達の話す言語も身につかないのです。
留学先でも「日本にいる時のあなた」でいると、留学の意義はみいだせません。他の考え方や価値観を受け入れようとするフレクシブルな感覚を持たないと、言語も文化も理解できないのです。せっかく大金をはたいて一大決心をして始めた留学の意味は全くないのです。日本の駅前留学と変わらない結果しか得られないんです。
留学先では新しい考え、価値観をどんどん受け入れましょう。そうするとあなた自身の考えや価値観も大きく変わり、言語もスイスイ身につくでしょう。「日本のあなた」のカラをやぶり「新しいあなた」になると、人生が豊かになるはずです。私はそれが留学の最大の収穫だと思っています。